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サイエンス・コモンズによる著者用追記文書(Science Commons Author’s Addendum)とはなんですか?
追記文書(Addendum)とは、契約書の条項を変更するために使われる文書です。サイエンス・コモンズによる著者用追記文書は、出版社の標準的な出版合意書の条項を変更して、著者である貴方が自身の論文を使用する権利をある程度保持し、オンラインで論文を公開できるようにするためのフォームです。
これらの追記文書は科学系著者以外には関係ありませんか?
学術論文の著者であれば誰でも、出版合意書の条項を変更するために、この追記文書を使用することが出来ます。
これらの追記文書から私が得られる権利はどんなものですか?
貴方自身がどの権利を保持するように主張するかを選べるよう、サイエンス・コモンズは複数の文書を提供しています。各文書は、たとえば教育、学会でのプレゼン、レクチャー、別の学術出版物など職業上の活動において、貴方自身の論文を自由に活用できるよう作られています。
各追記文書は、何をインターネット上に公開してアクセスできる状態にするのか、またどのような条件で公開するのかによって、異なった文面になっています。
Access – Reuse(アクセス・再利用)は、出版後すぐに、出版物と同じ版の論文(通常はPDF形式)を、アクセス料金の発生しないサイトに掲載する権利を与える内容です。主として、これは大学のデジタルライブラリや分野レポジトリ、すなわち米国国立医学図書館のPubMed Centralサーバー、そして貴方自身のウェブサイトに論文をポストすることを想定しています。
Access – Reuseの条件のもとでは、論文をクリエイティブ・コモンズ表示・非営利ライセンスのもとで公開するのに十分な権利も与えられます。クリエイティブ・コモンズライセンスは、その論文に関して、著者が読者にどのような権利を与えられるかを規定します。この表示・非営利ライセンスのもとでは、著者名を表示し、非営利である場合に限り、貴方の論文を再利用・再掲載する権利を与えることができます。(SPARC author’s Addendum に馴染みのある方にはわかると思いますが、この文書は、SPARC author’s Addendum と同じ権利保持を規定しています。)
Immediate Access(即時アクセス)は、出版後すぐに、出版物と同じ版の論文(通常はPDF形式)を、アクセス料金の発生しないサイトに掲載する権利を与える内容です。(この文書は基本的には MIT Copyright Amendment と同じ規定です。)
Delayed Access(時間差アクセス)は、貴方の最終版原稿と、出版版論文を区別して取り扱います。Delayed Accessのもとでは、貴方は査読終了後すぐに、査読結果を反映した最終原稿を、アクセス料金の発生しないサイトに掲載する権利を得ます。出版版論文については、出版後6ヶ月経過してから、アクセス料金の発生しないサイトに掲載できるようになります。
私が米国から補助を受けている研究者の場合、サイエンス・コモンズの追記文書は使えますか?
はい。貴方が大学研究者であれば、この追記文書は補助金や研究協力に関する契約書の内容に適合するものであることが明らかになっています。
それはどういう意味ですか?
大学と交わす補助金・研究協力に関する契約書において、補助金を使って出版される(ジャーナル掲載論文のような)著作物の、出版・再利用等に関する著作権は、合衆国政府が保持することになっています。貴方が論文を完成させると自動的に、貴方は合衆国政府に著作物使用の許諾を与えたことになるのです。しかし、多くのジャーナル出版社の著作権譲渡合意書は、貴方が既に使用許諾を合衆国政府に与えていることの有効性を認めず、貴方にその論文に関する著作権の全てを譲渡するよう求めています。サイエンス・コモンズの追記文書は出版社に対して、貴方が既に、雇用機関やNIHをはじめとする助成機関に使用許諾を与えている事実を認めるよう要求します。
サイエンス・コモンズの追記文書はどのように使えばいいのですか?
下記ステップに沿ってご利用ください。
- 追記文書エンジン(Addendum Engine)に行き、使いたい追記文書を選択、印刷します。
- 選択した追記文書を印刷したら、貴方の論文タイトル、掲載ジャーナル名、著者名、出版社名を適切に記入します。
- 追記文書にサインし、日付を記入します。
- 出版社の合意書にサインし、日付を記入します。そしてサインのすぐ下に“Subject to attached Addendum.”と記載します。ここが非常に重要です。出版社の合意書を受け入れてサインするのは、出版社が追記文書に合意する場合のみであることをはっきり示します。
- 記録のため、3つの書類(出版社の合意書、追記文書、そしてカバーレター)を全てコピーします。
- 3つの書類をそろえてホチキスで留め、封筒に入れます。
- 3つの書類のオリジナルを、出版社に郵送します。
2006年秋に発表できるよう、サイエンス・コモンズはwebベースの追記文書ページのインターフェースを開発中です。
出版社はこの追記文書の内容に同意しないのでは?
それはケースによります。様々な筋から仕入れた情報によると、ここ数年の間で、多数の学術論文の著者が出版合意書の条項変更に成功しています。合意書自体を修正することにより変更した場合もあれば、追記文書の活用により為された例もあります。しかし、どれくらいの割合で成功しているかという統計データは見当たりません。
追記文書を送付した後に、出版社が私の論文受理を取り下げたらどうしよう?
著者が論文について非独占的権利を要求した際、出版社が論文出版を拒否したという事例は見当たりません。
出版社が追記文書を受諾拒否したらどうしよう?
ジャーナル名、貴方が送付した追記文書、そして拒否理由を添えて、サイエンス・コモンズに電子メールをお送りください。私たちが進行させている活動のひとつとして、追記文書を実際に使って得られた証拠を集めているところなのです。
出版社がこの追記文書の条項のもとでの論文出版を拒んだ場合、貴方はいくつかの対策を選ぶことができます。著作権法のもと、著者である貴方は、著作物の再利用・配布・掲示・発表・元の論文から派生した作品の制作を独占的に行うことができます。出版社がこれらの権利の一部または全部について独占的権利を手に入れるためには、貴方からサイン済み合意書を受け取る必要があります。もし出版社が(サイエンス・コモンズ)追記文書に合意せずに(=サインせずに)論文を出版した場合であっても、追記文書はその出版物が追記文書の条項に合意した上での出版であると規定します。
もし出版社が追記文書にサインせず、かつ論文の出版を拒んだ場合、そして貴方が追記文書なしで出版社の合意書にサインはしない場合、その出版社が貴方自身にとって適切な出版社なのか判断をくだす必要があります。
追記文書を送付することにより、貴方が著作権について関心を払っていることを出版社に伝えました。また貴方と出版社間の利益について、サイエンス・コモンズの追記文書が公正なバランスを反映しているというという考えを伝えました。もし出版社がそれに合意しないのであれば、追記文書のなかのどの条項について最も合意できないのかを情報収集しましょう。出版社の中には、定型の合意書を修正することに合意してくれる会社もあるでしょう。
もし出版社が、彼らの定型合意書について”take-it-or-leave-it”(受け入れるか、さもなくば去れ)というスタンスであったら、公正な著作権合意書を進んで受け入れてくれるであろう他の出版社を検討してみましょう。同僚や学部関係者、また学部長と、貴方の直面していることについて話し合ってみましょう。オープンアクセスジャーナルへの誘いを受け入れたとしたら、貴方の論文の評判はどのようなものになるか、よく考えてみましょう。もし他のところで出版することにした場合も、いずれ行われる人事評価のために、追記文書を受諾拒否したジャーナル出版社とのやりとりの記録は残しておきましょう。
