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ヘルスコモンズ

原文記事
The Health Commons

ネットワークが商取引や文化にもたらしたのと同じ効率性を人間の健康に対しても適用する時期が来ています。それにはコモンズが必要です。

ヘルスコモンズのWebサイトをご覧ください

「ヘルスコモンズへの誘い」by John Wilbanks

サイエンス・コモンズのJohn Wilbanksが、ヘルスコモンズの概要、すなわち現行の創薬プロセスがどれほど崩壊しているのか、これを直すためのインスピレーションを求めてどこを探せばよいのかについて説明します。

詳細について

我々の構想の全体については、ヘルスコモンズ:ネットワーク化された世界における治療の発展(Health Commons: Therapy Development in a Networked World)(PDF)をご覧ください。この導入と概要をJohn WilbanksとMarty Tenenbaumが書いています。

ヘルスコモンズ:健康に関する研究のパズルを解く

製薬業界は、岐路に立っています。遺伝子をデコードするルーチンをつくるという分子生物学の革命的な進歩にもかかわらず、遺伝子研究から治療までには、依然として17年かかります。ハイ・スループットのスクリーニング法は、一週間に数百万もの化合物の分子ターゲットに対する有効性テストを可能にします。しかし、これらの化合物のうちの一つが開発パイプラインを通過して、薬になる確率は、百万分の一にも満たないのです。潤沢な資金をもつグループは、伝統的な創薬モデルを使用して、本日探索を開始したなら、2025年までに薬を市場に出すチャンスが非常にわずかにあります。


我々の病気を治療するやり方を変える時期が来ています。もはや遺伝子や分子が、特定の生物学的プロセスに重要であることに疑問の余地はありませんし、むしろ、病気に寄与する分子や細胞の相互作用の全体のネットワークが発見されてきています。そしてまもなく、我々は、人々全体ではなく個人についてのこのような情報を手にすることになるでしょう。生物医学的知識は爆発的に増えてますが、その知識を人類の役に立つように変換するためのシ ステムは、ほんの一握りの病気のターゲットに対していくつかの製薬企業の膨大なリソースを集中させるという時代遅れの危険な戦略に、いまだに依存しています。

ヘルスコモンズの構想

研究を加速させるために参加者がデータ、知識、材料、それからサービスを共有するような仮想的な市場や生態系を想像してみてください。この中には、化学分析、毒性スクリーニング、臨床試験の結果に基づくデータベース、薬物や化合物のライブラリ、生物材料(組織サンプル、細胞株、分子)のリポジトリ、薬物の効果や副作用を予測する計算モデル、ハイ・スループットのゲノミクスやプロテオミクス、薬物スクリーニングの組み合わせ、動物試験、生物統計などが含まれます。コモンズを通じて提供されるリソースは、必ずしも自由ではないですが、多くはそうすることができます。しかしながら、標準的な事前交渉による取引条件の下で、標準的なデータフォーマットで全てが利用可能にされ、今日の科学的な協力を妨げる、弱体化させる遅延、法的な論争、技術的な非互換性が排除されるでしょう。

我々は、AmazonからDVDを注文するのと同じくらい簡単に、研究者が公開実験を再現するのに必要な全てを発注することができるコモンズを想定しています。コモンズでは、工業規模で再現された結果を活用するワークフローを構築することができ、関連材料を求めて世界の生物リポジトリを検索し、分子プロファイリングを行うのに最適な研究所にこれらを送り、潜在的な薬品ターゲットの共同解析のため、生物情報学者のチームにデータを転送します。最終的にそれらのターゲットに対して薬品スクリーニングを実行するため、トップサービスプロバイダを雇用し、知識、データ、材料の全てに対して、Fed-Ex並みの正確性さで監視、トラッキングをして、あるプロバイダから次のプロバイダにスムーズに移行します。ワークフローのスクリプト自体が、他の人が再利用、改善できるように、コモンズの一部となります。ヘルスコモンズのマーケット・プレイスは、時間、コスト、それから疾病の治療法を開発するリスクを低下させます。個々の研究者、機関、企業は、コミュニティ内の他の人がこれらを容易に発見し、使用することができるように、彼らの専門知識とリソースに関する情報を公開することができます。臨床試験のデザインから分子プロファイリングに至るまで、コアコンピタンスは、包括的なサービスとしてパッケージ化され、インターネット上で利用可能にされます。コモンズは、サードパーティに情報へのアクセス、コミュニケーション、コラボレーションを円滑にするような付加価値を備えたパブリックドメイン、非営利のハブとして役立ちます。

ヘルスコモンズとは何ですか?

ヘルスコモンズは、基礎科学が人間の健康に対する理解と改善に結びつくように、やり方を変えることに関心がある団体の集まりです。団体のメンバーは、共通の技術、デジタル情報標準、研究材料、契約、ワークフロー、それからソフトウェアのセットに取り組むことによって、標準化された取引条件で、データ、知識、サービスを共有することに合意しています。これらのコミットメントは、知識、データ、材料、ツールが、創薬チェーン全体に渡って、シームレスにパートナーからパートナーに移動できるようにします。これらは、参加者が、単純な分子分析から複雑な医薬品合成のソリューションに至るまで、他人がディレクトリにおいて発見し、開発を促進するように自身のプロセスに統合したり、レゴブロックのように組み立てて新たなサービスを構築します。

ヘルスコモンズは、どの単体の組織又は企業にとっても、構築するのが非常に困難です。これには、多種多様のパートナーの連携が必要とされ、公的機関、私企業、非営利団体だけで運営するには複雑すぎます。ネットワーク化された世界に向けて治療法を刷新する上で、最初から公的機関と民間企業の間のパートナー シップへの取り組みが前提条件となります。公的機関と民間企業の間のパートナーシップを通じてのみ、コモンズのキーとなるインフラを構築することができます。情報と材料のパブリックドメインにおける投資は、このようなパブリックドメインが、利益を目的とする民間のシステムインテグレータや材料、ツール、サービスプロバイダによって提供されるのであれば、実現されることになります。一方、民間部門の長期的な成功は、データ、研究ツール、それからオープンソースソフトウェアのパブリックドメインが、成長し、頑強であり、自己補給することに依存します。

ヘルスコモンズの設立団体

サイエンス・コモンズ
CommerceNet
Public Library of Science
CollabRx

お問い合わせ先