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オープンノートブックサイエンスの新版が出ました

2010/03/17

ドレクセル大学の Bradley ラボから、素晴らしいニュースが届きました。オープンノートブックサイエンス(ONS)チャレンジブックの第三版が完成したのです。この ONS チャレンジブック第三版には、生データやノートブックデータも含んでいます。ONSチャレンジブックは、ONS 溶解度データベース(*1)を製本したものです。ONS チャレンジブック制作について初めてアナウンスされたのは2009年12月、オープンノートブックサイエンスのパイオニアである Jean-Claude Bradley により告知されました。彼は最近シアトルで行われたサイエンス・コモンズ・シンポジウムで講演も行っています。

今回完成したのは、ONS チャレンジブックのノートブック全アーカイブを含んだ初めてのエディションで、「全ソースドキュメントのスナップショット」です。初版や ONS 溶解度データベース自体についての詳しい情報は、Jean-Claude によるブログポストをご覧ください。

Jean-Claude たちに賞賛の拍手を。これからも期待しています!(*2)

*1: Useful Chemistry: Open Notebook Science Challenge

*2: オープンノートブックサイエンスの新版(書籍)が欲しい方は、lulu.comからご購入ください

サイエンス・コモンズ・シンポジウムのビデオ公開!

2010/03/09

サイエンス・コモンズ・シンポジウムのビデオ公開!

先日、ワシントン州にあるマイクロソフト本社レッドモンド・キャンパスで、サイエンス・コモンズ・シンポジウムを開催しました。1日まるまる使って、オープンサイエンス、オープンアクセス、オープンデータ各分野の先導者たちによるプレゼンテーションが行われました。休憩時間や夜のレセプションの間にも、プレゼンテーションに負けず劣らず刺激的な会話が繰り広げられました。刺激的なアイデアや情熱あふれる参加者の皆さんと議論できたおかげで、1日中楽しい時間を過ごすことができました。

プレゼンテーションでも会場内の会話でも、Panton Principles について盛んに議論が交わされました。Panton Principles はオープンデータについてのベストプラクティスをまとめたもので、シンポジウム開幕時に Cameron Neylon により公式発表された声明です。Panton Principles をまとめ上げたのは Cameron Neylon、Peter Murray-Rust、そして John Wilbanks の3人で、彼らは全員シンポジウムのプレゼンテーターでもありました。いずれのプレゼンでも、彼らは Panton Principles について言及しています。

John Wilbanksは Panton Principles だけにとどまらず、より大きな視野に立って議論しました。基調講演において、彼はオープンサイエンス運動の歴史を振り返り、さらにこれからのゴールを提示しました。曰く、科学を創造的(generative)なものにすること。創造的(generative)とは何か、Jonathan Zittrain の言葉を用いていうと、


“Generativity is a system’s capacity to produce unanticipated change through unfiltered contributions from broad and varied audiences.”

創造的である(Generativity)とは、広範囲に及ぶ様々な参加者の生の声を通じて、思いがけない変化を引き起こすことのできるシステムキャパシティのこと。


また、シンポジウムの参加者によるブログポストも多数アップされています。

プレゼンテーターのひとり Jean-Claude Bradley は、Useful Chem で、1日を振り返っての客観的感想、各プレゼンのサマリー、自身のプレゼンテーションスライドを公開しています。

同じくプレゼンテータのひとり Antony Williams は、John Wikibanks が述べた generative science という考え方に対する共感と、自身の ChemSpider に対するモチベーションを書いています。また自身が行った ChemSpider にまつわるプレゼンスライドもブログで公開しています。

科学図書館のライブラリアンも参加していました。Alison Aldrich は図書館員の視点に立って、全プレゼンの要約と関連情報リンクをブログにまとめています。

参加出来なかった方や、シンポジウムで議論された山ほどの内容について思い出したい方は、Open Science Foundation の Brian Glanz がまとめた詳細なノートを読むとよいでしょう。 Open Science Foundation ウェブサイト内のブログに、シンポジウム全日の内容がまとめてあります。

マイクロソフト・リサーチの皆さんは寛大な、素晴らしいホスト役を勤めてくださいました。イベント会場の提供のみならず、食べ物・飲み物の提供、新しいクリエイティブコモンズの冊子 The Fourth Paradigm のコピー配布、そしてプレゼンテーションのビデオ撮影まで、素晴らしい手腕を発揮しました。彼らの撮影したビデオは、下記リンクから視聴できます。

Session 1 Featuring Lisa Green, Lee Dirks, Stewart Tansley & Kris Tolle, Cameron Neylon and Jean-Claude Bradley

Session 2 Featuring Antony Williams and Peter Murray-Rust

Session 3 Featuring Heather Joseph and Stephen Friend

Session 4 Featuring Peter Binfield and John Wilbanks

シンポジウムの参加者にとっても、あいにく直接参加することは出来なかった皆さんにとっても、このビデオは役立つでしょう。(参加した)私自身も、間違いなくチェックします。サイエンスコモンズ・シンポジウムで議論されたアイデアは非常に重要なもので、これからの科学を形成するものであること間違いなしです。