ブログ

CC特許ツールの公開ディスカッションを開始しました

2010/04/02

今回、我々の新たな特許ツール(研究非係争誓約とパブリック特許ライセンス)についての公開コメント・ディスカッションをお知らせできてうれしく思います。我々の公開された wiki での議論に皆様を招待します。そこでは、これらのツールについて読んだり、関心がある話題についてのコミュニティに入ったり、あなたの考えや提案を投稿するために公開ディスカッションリストに加わったりすることができます。

これらのツールは、我々とGreenXchange(GX)とのコラボレーションの一部として考え出されたものです。GX は、特許されていないノウハウや特許された発明を公開して利用可能にすることに関心のある企業のネットワークです。ここで扱われるノウハウや発明は、イノベーション、サステナビリティ、資源管理、他のアイデアや発明の社会的に責任のある使用を促進する可能性があります。研究非係争誓約および公開特許ライセンスは、CC ライセンスが、創造的な作品を交換したり変化させたりするためのインフラの一部となったように、このような種類の知識をどのように共有や変換するかについての基礎となるインフラの一部となります。これらのツールは、当初は GX とのコラボレーションとして考えられていましたが、我々は、これらを誰でも使用できるように CC によって維持される汎用的なツールとして実現し、それらが将来他のプロジェクトでも同様に役立つようになることを期待しています。そういうわけで、コミュニティや広く一般からの全体的なコメントやフィードバックを得ることは、我々にとって大切です。

私は、時間、リソースを惜しみなく使って、アドバイスを提供してくれた多くの人々にも感謝したいと思います。特に IBM の Manny Schecter と Sandy Block は、IBM の非係争エコパテントコモンズでの彼らの経験を我々と共有するのに多大なる時間を費やしてくれました。Best Buy、Mountain Equipment Co-op、Nike、Yahoo! は、アドバイスやサポートだけでなく、インフラやツールに対する我々の取り組みに気前よく資金提供をしてくれました。Salesforce、nGenera、2Degrees、それから他の GX のパートナーは、彼らのサービスや技術的な専門知識を気前よく提供してくれました。Morrison

Foerster法律事務所は、気前よくプロボノ法律サービスと非常に貴重なアドバイスを提供してくれました。Ropes &

Gray の Michael Mattioli も、我々がいくつかの困難な特許の問題に取り組むのを支援してくれました。私は、貴重な支援をし、この取り組みにグローバルな視点をもたらしてくれた各国のクリエイティブ・コモンズのメンバーにも感謝したいと思います。それからこの取り組みにあたって、コメント、フィードバック、アドバイスを提供してくれた非常に多くの方々にも感謝したいと思います。このような形で関わってくれる気前のよいコミュニティがなければ、このプロジェクトが実現することはなかったでしょう。我々は、多くの方々に支援していただいていますが、このツールの作成に関して最終的に責任を持つのは我々であり、これらの支援者の方々の見解や寄与を示すとして解釈されるべきものではありません。

我々は、広く公開して、コミュニティを巻き込むことにより、我々が考えもしなかった新しいアイデア、視点を取り入れることを期待しています。それは、新たな法的なツールをリリースする我々のプロセスの不可欠な部分です。そのため、議論に参加するだけでなく、このテーマに関心のある友人や同僚にこのことを是非知らせてください。この記事のリンクを彼らに送って、wiki 上に投稿されたディスカッションリストに加わるよう呼びかけてください。

オープンノートブックサイエンスの新版が出ました

2010/03/17

ドレクセル大学の Bradley ラボから、素晴らしいニュースが届きました。オープンノートブックサイエンス(ONS)チャレンジブックの第三版が完成したのです。この ONS チャレンジブック第三版には、生データやノートブックデータも含んでいます。ONSチャレンジブックは、ONS 溶解度データベース(*1)を製本したものです。ONS チャレンジブック制作について初めてアナウンスされたのは2009年12月、オープンノートブックサイエンスのパイオニアである Jean-Claude Bradley により告知されました。彼は最近シアトルで行われたサイエンス・コモンズ・シンポジウムで講演も行っています。

今回完成したのは、ONS チャレンジブックのノートブック全アーカイブを含んだ初めてのエディションで、「全ソースドキュメントのスナップショット」です。初版や ONS 溶解度データベース自体についての詳しい情報は、Jean-Claude によるブログポストをご覧ください。

Jean-Claude たちに賞賛の拍手を。これからも期待しています!(*2)

*1: Useful Chemistry: Open Notebook Science Challenge

*2: オープンノートブックサイエンスの新版(書籍)が欲しい方は、lulu.comからご購入ください

サイエンス・コモンズ・シンポジウムのビデオ公開!

2010/03/09

サイエンス・コモンズ・シンポジウムのビデオ公開!

先日、ワシントン州にあるマイクロソフト本社レッドモンド・キャンパスで、サイエンス・コモンズ・シンポジウムを開催しました。1日まるまる使って、オープンサイエンス、オープンアクセス、オープンデータ各分野の先導者たちによるプレゼンテーションが行われました。休憩時間や夜のレセプションの間にも、プレゼンテーションに負けず劣らず刺激的な会話が繰り広げられました。刺激的なアイデアや情熱あふれる参加者の皆さんと議論できたおかげで、1日中楽しい時間を過ごすことができました。

プレゼンテーションでも会場内の会話でも、Panton Principles について盛んに議論が交わされました。Panton Principles はオープンデータについてのベストプラクティスをまとめたもので、シンポジウム開幕時に Cameron Neylon により公式発表された声明です。Panton Principles をまとめ上げたのは Cameron Neylon、Peter Murray-Rust、そして John Wilbanks の3人で、彼らは全員シンポジウムのプレゼンテーターでもありました。いずれのプレゼンでも、彼らは Panton Principles について言及しています。

John Wilbanksは Panton Principles だけにとどまらず、より大きな視野に立って議論しました。基調講演において、彼はオープンサイエンス運動の歴史を振り返り、さらにこれからのゴールを提示しました。曰く、科学を創造的(generative)なものにすること。創造的(generative)とは何か、Jonathan Zittrain の言葉を用いていうと、


“Generativity is a system’s capacity to produce unanticipated change through unfiltered contributions from broad and varied audiences.”

創造的である(Generativity)とは、広範囲に及ぶ様々な参加者の生の声を通じて、思いがけない変化を引き起こすことのできるシステムキャパシティのこと。


また、シンポジウムの参加者によるブログポストも多数アップされています。

プレゼンテーターのひとり Jean-Claude Bradley は、Useful Chem で、1日を振り返っての客観的感想、各プレゼンのサマリー、自身のプレゼンテーションスライドを公開しています。

同じくプレゼンテータのひとり Antony Williams は、John Wikibanks が述べた generative science という考え方に対する共感と、自身の ChemSpider に対するモチベーションを書いています。また自身が行った ChemSpider にまつわるプレゼンスライドもブログで公開しています。

科学図書館のライブラリアンも参加していました。Alison Aldrich は図書館員の視点に立って、全プレゼンの要約と関連情報リンクをブログにまとめています。

参加出来なかった方や、シンポジウムで議論された山ほどの内容について思い出したい方は、Open Science Foundation の Brian Glanz がまとめた詳細なノートを読むとよいでしょう。 Open Science Foundation ウェブサイト内のブログに、シンポジウム全日の内容がまとめてあります。

マイクロソフト・リサーチの皆さんは寛大な、素晴らしいホスト役を勤めてくださいました。イベント会場の提供のみならず、食べ物・飲み物の提供、新しいクリエイティブコモンズの冊子 The Fourth Paradigm のコピー配布、そしてプレゼンテーションのビデオ撮影まで、素晴らしい手腕を発揮しました。彼らの撮影したビデオは、下記リンクから視聴できます。

Session 1 Featuring Lisa Green, Lee Dirks, Stewart Tansley & Kris Tolle, Cameron Neylon and Jean-Claude Bradley

Session 2 Featuring Antony Williams and Peter Murray-Rust

Session 3 Featuring Heather Joseph and Stephen Friend

Session 4 Featuring Peter Binfield and John Wilbanks

シンポジウムの参加者にとっても、あいにく直接参加することは出来なかった皆さんにとっても、このビデオは役立つでしょう。(参加した)私自身も、間違いなくチェックします。サイエンスコモンズ・シンポジウムで議論されたアイデアは非常に重要なもので、これからの科学を形成するものであること間違いなしです。